港町はヤンキーが多いと思って育った。出身者の自身が感じるだけのことかもしれない。

小学生の時は目立ってやんちゃな子はいなかった。ほのぼのとした平和な日々だった。でも中学生になるとリーゼントや短ランを途中で新調する子や”今日から俺”みたいな子が増えていった。今じゃ考えられないが生徒指導の先生も竹刀をもって廊下を歩いていた(その先生もポマード塗りまくったべとっとした髪だった(笑))。高校は基本私服だったこともあったためかやんちゃに見える子はいなかった。ただ、市内の他校の生徒とバスで一緒になった時は席を移動したくなるような風体の子が多かった。夜は改造バイクが爆音をあげて狭い町を行き来する。そんな町に育ったせいなのかどうか、最近ヤンキーのドラマや映画に魅かれていることに気付いた(以下ドラマ、映画のネタバレがあり)。

ナンバMG5

今TVドラマで放送している”ナンバMG5”。ヤンキー一家に生まれ育った難破剛が主人公だ。彼は高校時代にしか味わえない青春を謳歌したくなり普通の?高校に入学し美術部に入ったところから物語が始まる。中学まで喧嘩ばかりしていた自分を高校では隠し、ヤンキー全国制覇を彼に望む家族に嘘をつきながらの二重生活に時折苦しむけれど、本気でぶつかり合いながら友情が育っていく過程が心地好い。殴り合いのシーンには殴る音や傷口から滴る血が映る。それが嫌だと感じる人もいる。娘にはキツイそうだ。映画の暴力団の抗争などでお馴染みの武器(拳銃、日本刀)を使っての残虐なシーンは自身も超が付くほど苦手だ。でも素手での喧嘩シーン(リアルは直視出来ないだろうけれど)は許容範囲だ。殴る方も傷つくからなのかもしれない。

主人公には周りに嘘をつきながらもブレない何かがある。何をしたいか、何が欲しいかに忠実なところがそう思わせるのかもしれない。色んな所にぶつかりながら周りを動かしていく。

東京リベンジャーズ

”出合い”は国内線のANAの飛行機で。時間つぶしにそれを選んだ。あまり選択肢はなく半分仕方なしに。飛行機のエンジン音などでほとんどセリフが聞き取れなかったから、字幕で観た。それでも中盤からのめりこんでいった。あと少しというところで目的地に到着してしまい、不完全燃焼。気になって仕方なくなった。

いつも頭のどこかにそれがあった(その時は映画公開されてから一年経っていなかったからレンタルやWOWWOWなどのツールに期待できなかった)。

最近ついにWOWWOWに”登場する”ことが分かり、録画出来た。やっと最後まで観ることが出来た。満足した。今はお気に入りのシーンにチャプターマークをつけ何度も繰り返し観ている。

逃げて謝る人生の主人公タケミッチーが成長する過程が軸だ。それが気持ちよい。壁にぶつかりながら、傷つきながら大事な人を守る為なんとか運命を変えようと必死になる姿がカッコいい。

隣にいる人次第でその人の未来が大きく変わる、どれだけ大きな差を生むか、タケミッチーが現在と過去を行き来することで描かれている。カリスマ性があるマイキーの力を利用しようと企むキサキ、時に相手を思い諫める力を持つドラケン、マイキーの力が大きい分未来(現在)も大きく違ってくる。

ゾクッとするようなマイキーのオーラとドラケンの情の深さと強さも見どころの一つだ。

賛否

原作ファンは実写化を残念に思う人もいる。自分のイメージ通りではないと感じるのが嫌だという気持ちは自身もほかの作品で経験済みだから分かる。それは生理的なものと言っても言い過ぎじゃないと思う。理解できる。でも原作を知らない、特にその分野を好きだと自覚できていないものにとっては実写化はとても有難い。楽しかった。