3日前2023年日本で公開された韓国の作品を観た。これを選んだ理由は題にビリっときたから。
戸惑い
撮り方が独特でスムーズに頭に入ってこなかった。
主人公が想像した状況が突然映像に現れる。現実に起こっていることなのかすぐには分からず最初戸惑いが半端なく正直言うと序盤は特に見づらかった。
印象的だったシーンを上げていこうと思う。以下ネタバレ注意。
マーキング
中国からの不法入国で身分が不安定な女性に対する理不尽さを感じた。不法入国は違法だ。正しくない。でも世界平和等からみるとそうとは必ずしも言えない。誰かが人を鼓舞するために考えたであろう”そこに選んで生まれてきた、試練を乗りえるために生まれた”等の言葉を思い出した。もし自分がソレで誰かがその言葉を投げかけたら危険な言葉を発するだろう。
経済的にゆとりがあって独占欲、自己顕示欲の塊な男性にしか頼れないソレ。不法滞在で摘発されることから逃れるため結婚し、日常暴力を振るわれ、腰の下に入れ墨で名前を刻み込まれ物扱いされるシーンは息苦しくなった。
言葉
”韓国では結婚していると好きになることを中断しますか”ソレがへジュンにかけた言葉。
一度目の犯罪だったであろう事件でへジュンに出会い、彼の捜査に対する目を意図せず鈍らせていく。二度目は彼を想い求めるからか、それともしがらみから解放されたくなったのか親を強く思う力を利用してソレは目的を果たしていく。”自分はそういう人からしか求められない”と言う内容の言葉が頭に残った。へジュンへの心の叫びだったのかもしれない。
言葉は力を持つ。違和感を持ちながらも言葉だけは明るい言葉を発していた方が時間はかかっても幸運が舞い込むのだと経験上信じるようになった。
渦
最後のシーンで写った小さな渦が切なかった。
ソレがいるだろうと思われる箇所に小さく渦が巻く。そこをへジュンが通り過ぎる。まだ間に合うかもしれない!!と心の中で叫んだ。ハッピーエンドを望んだ。でも最後まですれ違いが止まることはなかった。へジュンは気付くこともなく狂ったように彼女の名前を呼びながらそこから遠ざかっていく。
彼女への愛を自覚しながらも選び取る決断ができなかったへジュン。とてつもない後悔に襲われるに違いない。それにそれは間接的に他の関係にも波及するものだ。言葉や態度に気を付けていてもそれは滲み出てしまうものなのだ。妻は心も体も満たされることなく夫に見切りをつけ離れていった。表を取り繕っても長くは続かないのだ。
今後の彼は心から求める人と触れ合うことが出来ず、叶わない夢を追い求める日々を送るのだろう。彼女を超える人と出会うまで。
超切なかった。この作品を生んだ韓国、恐るべし(#^^#)