今日午前中の仕事を終えて帰社する車が信号で止まっているところでそれは起きた。
左から来た自転車がそのまま目の前を通り横断するのかなとぼんやり見ていた。
自転車が横断歩道を渡る手前で何故か縁石に乗り上げバランスを崩し道路側に倒れた。車も信号で止まっていたからそのまま起き上がるだろうと様子を見ていた。でもなかなか立ち上がらない。立ち上がろうとしてヘタっと座る姿をみて車のドアをあけ外に出ていた。
骨折?
年齢は60代後半と見えた。携帯電話を持っていなかったから彼女に携帯で救急車を呼んでと伝えた。頭を打ったわけではなかったからしっかりしていた。しかし骨折してるかもと話す彼女は仕事場に電話を入れていた。一番に職場(どうやら学校の先生らしいのが話していて分かった)に電話して昼からクラスに小テストをして欲しい旨を伝えていたから少し安心した。でも結構その電話が長く感じた。車を運転していた上司が駆け付け携帯電話で救急車を呼んだ。
程なくして救急車が到着。無事担架に乗せて貰って救急隊員に引継ぎした。
目の前で起きた事で救急車を呼んだのは初めての経験だった。
わけ
事務所に帰って上司が開口一番にその話を皆にした。自身が一番に出て行ったのが驚きだったとも話していた。
自然に体が動いていた。
理由を考えてみた。
過去自転車で雨の中仕事帰りに坂道を下っていた時に石ころだったか、マンホールだったかは覚えていないが自転車が横にスリップしバウンドして空中に投げ出されたことを思い出した。頭から落ち大量出血。前が流れる血で見えなくなった。ボーっとして道路の真ん中でペタッと座るしかなかった。小学生だった子どもたちを家で待たせたくなくて焦っていたのが良くなかった。
そんな時近くでお茶していた女性たちが玄関先でおしゃべりしていたらしく駆け寄ってくれた。
その時は知らない人に車に乗せられ少し怖かったけれど考えられる状態じゃなかった。助けてくれる人を信じた。
大丈夫だからね。病院行こうねと声を掛けてくれた。血で車が汚れないようにシートを引いて乗せてくれた。病院の待合室で一人にならないように傍にいてくれた。感謝してもしきれない。それが今日自分を動かしてくれた。
彼女は申し訳ないを連呼した。大丈夫です。足痛いですよね。もう少しです。声掛けをした。
めぐり巡ってくるのかもしれない。