娘の結婚式に合わせて息子も帰ってきた。

”お姉さんの晴れの舞台を利用するのは心苦しいけれど彼女を叔父さんたちに会わせたいんだ”と伝えてきた。聞くとどうも弟が会おうと誘ってきたみたいだ。

彼らが学生時代深夜のLINE電話のスピーカーで毎晩やり取りするのはやめて欲しいと頼んでも止めず二年程快適に眠ることが出来なかった。二人の一般常識内の気遣いがなかったことに憤った。実際不快な電子音が真夜中響き渡っていた(薄壁の家なのだ💦)。また、大学卒業旅行に彼女の親同伴で祖母の家に立ち寄るという自身にとっては信じがたいその価値観の違い(常に親が絡んでくる)にとてつもない違和感を持たざるを得なかった。

しかしこの度それを緩める気持ちになった。

直球

隠し事が出来ない息子は弟二人と彼女と四人の会を黙っていられなかったのは可愛いところだ。

純粋に弟たちと会いたいと思うのならそれはこちらがそれを咎めるような気持ちにはならない。ただそこに策略めいたものがある場合(周りから固めるなどの)そのやり方を尊敬できないし、嫌いだとハッキリ伝えた。

”だからプロ野球じゃなく高校野球が好きなんだ”と息子。例えが上手いなと思った。そう、”直球”が好きなのだ。”一生懸命”が好きだ。リーグ戦よりトーナメント戦が好きだ。回りくどいことをしてくると嫌になる。

直接ぶつかれないと思う気持ちも勿論理解はできるが、物事を動かそうとする時はまず一度ぶつかってたとえその時点で玉砕してもそれでも立ち上がり何度もトライするのが策を講じるより短い期間で目的に達成できるとこの場合思うのだ。相手に真剣さをアピールする意味もある。相手の懐の深さや慮る力に頼ることなくだ。

心地好い違和感

結婚式前夜母や弟たち、叔母、従弟が到着した。

夕食後会うんだって?と尋ねると驚きながらキャンセルになったと弟。その後息子が合流し詳細を聞いた。

その前の晩の息子とのやり取りを伝えたのだろう、彼女は自身の言葉に共感したとのことだった。叔父(弟)と会う前に母親に会うべきだと言っていたそうだ。どうやら策を講じようとしていたのは息子だったみたいだ。

色々悩まされた過去はあるけれど、心を病みそうになった息子に話しかけ、寄り添ったのは彼女だ。自身との相性はあまり良くないとは思うけれどそんなことは関係ない。二人が互いに尊重し合い存在だけで元気になれることが何より大切なことだ。彼女も仕事で苦労を重ね、相手を思いやる力が育ったのだろうと思う。ただ、期待し過ぎは体に毒になるだろうから(笑)ほどほどにする。

少し前、自分が今回感じたことを伝えたところ息子はホッとした顔をした。

変化

年末帰省した彼は少し変わっていた。完全な甘えん坊ではなくなっていた。

新潟にガンバの応援に行った際米を土産に買ってきてくれたり、焼き肉に行く際は自分も一万円は出すからと言ってみたり。こちらも二人を認めてすごく気持ちが明るくなっていることに気付いた。

自分自身の変化に一回り成長できたと感じ嬉しくなった。