実生活では感情を揺さぶることがなかなか起きない。安定していて安らぎを感じることが多いが退屈でもある。その”少々の物足りなさ”を本、ドラマ、映画で埋めようとしているのかもしれない。最近刺激を受けたものを綴ろうと思う。
「コールドケース」
初めて視聴したのは十数年前。WOWOWで放送になった米国ドラマだ。
過去の未解決事件を解き明かしていく物語だ。事件とは別に刑事の私生活での苦悩も同時に表現されていて目が離せなかったのを覚えている。
主人公のリリーラッシュは憂いがありそこに色気があった。部下も問題を抱えていてたまに捜査に影響が出る。そこがまたヒリヒリドキドキするところだ。部下の不安定さを温かく見守り時に盾になる上司や同僚も大好きだった。
最初日本版には興味が湧かなかった。キャストは素晴らしかったが、米国版への想いが強かったためだと思う。
事情があって30年強契約していたWOWOWを今年10月解約したため視聴できなくなった作品がたくさんあってしょげていたが、何げなく開いたアマゾンプライムで「コールドケース」日本版を見つけた時は嬉しかった。見つけてから観終わるまで一気に観た。
誰もが抜けては成り立たないと感じた。でも最初主人公のリリーラッシュ役の吉田羊氏には大分違和感があった。女性的な潤いが足りないような気がしたのだ。暫くすると吉田羊の持つ理知的な雰囲気が物語を締めていることに気付いた。安心して観ていられた。
リリーの相棒ヴァレンズ役の高木(永山絢斗氏)もボスの三浦友和氏も遠藤憲一氏、光石研氏もアメリカ版と違和感なく受け入れることが出来た。彼らのバランスがアメリカ版と同じだったからなのだろう。
永山絢斗氏が大麻関連で数年前逮捕されシーズン4が今は期待できない状況だけれど是非続けて観たい作品の一つになった。一人も欠けることないキャスティングで実現して欲しい☆*: .。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
東野圭吾「秘密」
サスペンス展開を期待していた。いつ殺人事件が起きるのだろうと思っていたからファンタジー要素が出てきた時正直萎えた。以下ネタバレ注意。
読み終えた時伝えたいことは理解した。愛する人を二度失う残酷さは伝わってきた。
がしかし、娘(心)を失ったことにはあまり触れていない”夫婦”にも違和感があった。
娘藻奈美の身体を得た妻直子はこの状況からの脱却に苦しみながらも最終的にはクールに達成する。直子の割り切り方に夫平介はついていけず思いを残す切ない展開だ。パートナーとの行き違いすれ違い、相性の良さ悪さなどがTikTokの様々の投稿からうかがい知れるがこれと通ずるものがある。欲がある限り永遠のテーマだ。
ただ理解はするがどうしても胸が悪くなるシーンが何度かあった。近親相姦を連想させられた。頑張って読み進めたというのが正直なところだ。
身体は娘(藻奈美)心は妻(直子)に対し揺れ動く平介を気の毒だとは思ったが後半直子に執着する態度が異常で気持ち悪かった。電話を盗聴したり、郵便物の封を薬缶の湯気で開けたり、テニス部の先輩とのクリスマスデートに乗り込んでいくシーンは吐きそうになった。妻だけ若い肉体を持ったことへの嫉妬もあったと平介の自覚があったと思っていてもだ。生理的に無理だ。
終盤、心も体も藻奈美に戻ったと思っていた平介が実はそう直子が演じたことだと気付き結婚式当日に花婿を殴り泣いたという描写があったが少しも心が動かなかった。逆にどうして結婚式当日披露宴もあるだろうにとその冷静さを欠いた行動に呆れた。
この作品は立場の違いで極端に感じ方が違ってくるのだと思う。
直木賞を取った作品にいちゃもんつけるとは恐れ知らずだと思うし、自分に何かが欠けているのかもしれないが嘘はつけない。
「メンタリスト」
アメリカドラマの「メンタリスト」を最近アマゾンプライムで観ている。
夜お風呂に入った後寝るまでの間吹き替え版で次の日の用意などをしながら。
癒される。内容が重くなりすぎず最後は癒されるという安定したパターンが心地好い。
縦軸に主人公のパトリックジェーンの家族がシリアルキラーに殺された事件がある。シーズン1の後半を観始めたところだからあまりソレに触れられてはいない。
第7話”朱をそそぐ”である事件に関わってくる”霊能力者”の女性がパトリックジェーンが抱えいる悲しみに触れるシーンがある。不思議な能力や霊の存在などを否定するスタンスで終わるのかなと思っていたから(物語の冒頭からそのような流れだった)心を動かされた。
7シーズンあるとのこと。これからゆっくり楽しみたい。