環境は良い地域で生活している。夜一人で出歩いてもさほど不安になる事はない。近くのスーパーでは物を落としたらすぐに見つかることが多い。自身の買い物袋を除いては。

3分前

お気に入りの買い物袋だった。ただそれはお金を出して買えるものではなく、売り物ではない会社限定のもので購入することは出来ないものだ。でもそのことは他の人は知らないと思う。

全国展開しているスーパーの通路に脇に挟んでおいたその買い物袋がポロっと落ちたと思う。気付いたのはその3分も経っていない時。買い物かごをカートにセットし脇に挟んでおいた買い物袋をそこに掛けようとして探したが、ない。慌ててカートを元に戻し来た道を引き返した。でもどこにも落ちていない。きっと親切な近隣の人が拾ってサービスカウンターに届けてくれているはずだと思い、お店の人に声を掛けたが届いていないとのこと。取り合えず名前、連絡先の電話番号をノートに書いて買い物を続けた。しかし数か月経った今も連絡はない。とても残念だ。信号のない横断歩道でブレーキを踏んで止まってくれる確率がとても高い地区。過去何度か落とし物をしてもちゃんと手元に戻ってきた(百均で買ったものをそのままカートにぶら下げていてもサービスカウンターに届いていたことがある)。何だかがっかりした。

因みに自身もよくそのスーパーで落とし物を見つける(落とすのは私だけじゃない(^▽^;))。ハンカチ、タオル、購入したばかりであろう品物、買い物袋、傘等。売り物のキュウリが下に落ちていた時には店員を呼んだ。

価値

お金に換算すると千円前後のものだと思う。もしかしたらそこまでかからないかもしれない。でも価値はそこじゃない。好きかどうか。色といいキャラクターといい、大きさ肌触りすべてが好きなのだ。

職場の先輩にその直後に嘆いた。表現して自分が驚いた。その悲しみは結構深いものだと感じた。買い物袋の話になるのは稀なことだけれど、その話になった時には落ち込んだ。嘆いた。返して欲しいと感情が噴き出した。

感謝

二日前、前述した先輩が買い物袋を”あげる!”と渡してくれた。自分は使わないからと言って。心の底からから嬉しかった。が同時に申し訳ないとも感じた。いつもの癖が出そうになった。もう大丈夫ですと。大丈夫じゃないのに。それを何とか抑えて素直に感謝して受け取った。本当に嬉しい。素直が一番(#^^#)

先輩の好きな石屋製菓の”白い恋人”をプレゼントしようと思う。早速注文した。喜んでくれるかなとワクワク。勝手に喜ぶ姿を想像している(*^。^*)

お気に入りの買い物袋を落として戻ってこないのは非常に残念だけれど、こうして巡り巡って別な形で受け取る。心が温まった。改めて人を大切にしたいと思った。