アマゾンプライムビデオでのん主演の映画「さかなの子」を観た。バイオレンス、サスペンス、恋愛、SFではないほのぼのとした作品だ。物語の中にすぐ入ってしまう者にとって安心して観れる作品。用事で中断することはあってもドキドキして止めることなく観ることが出来た。さかなクンの半生綴った自叙伝。観ると温かい気持ちになった。以下ネタバレあり。
純粋
さかな好きな男の子がその”好き”を貫ける優しい環境に心が温まった。
最初はからかうクラスメートもミー坊(主人公)の純真な姿にそれを止める。先生も個性を受け止めるところが良かった。
”好きこそものの上手なれ”とミー坊が後半口にする。芯から好きなさかなに関わっていくことで自然と道が開けていく様が気持ちがよく、又羨ましかった。
母親像
ミー坊の母ミチコが息子の気持ちを尊重するシーンが何度も出てくる。とても印象的だった。
ホントは海の生き物が苦手なのに(物語の後半で明らかになる)我が子の”好き”を伸ばすために否定しない徹底した対応に驚いた。そうあるべきと思うのだが現実はなかなか出来ないものだ。どちらかというと自分は”転ばぬ先の杖”が頭にあったと思う。いじめられないように色々な世界を体験させようと努めた。それが不正解とは思わないが余り構えない方が良かったかなぁと少し反省した。
序盤、友達を誘っての家族海水浴のシーンが印象的だった。食べようとするかのように身体に絡みつくオオダコを浴槽で飼いたいと息子にもし言われたら”自分で面倒みれる?”ではなく自身は”もう少し小さなタコにしようね”と出来るだけ忘れさせる方向に話を勧めると思う。あそこまで寄り添えるなんてすごい。
否定したらミー坊はきっと怯えて過ごすことになっただろう。自分を出せず縮こまって。だからミチコはパートナーと離れて生活する道を選んだのだろう。
ただ少し危なっかしいと思うところもあった。よく知らない大人の男性と一緒に過ごすことを子どもに許すところとか。今なら考えられない。
友人
ツッパリは中学時代自身の周りにいた。高校にはいなかったように思うが街には溢れていた。だから何となく親近感?がある。その一員ではなかったが、ドラマ”今日から俺は””ナンバMG5”は心になじむ。映画”東京リベンジャーズ”もだ。娘は殴り合いが無理と言っていたからやはり育った環境が好みに影響するのかもしれない((^_^;)
ミー坊はツッパリを一瞬で魅了する力を持っている。根は純粋な子が純粋な子に惹きつけられ守りたくなっちゃうような感じ。ミー坊のペースに載せられるツッパリが微笑ましかった。
対立する勢力に属していたアニサキスが気になるツッパリにイカの切り身を食べさせる(アニサキスが寄生しない種だと伝えて)。それが彼の将来を決めるとは思わずに。影響力半端ない。
又、幼馴染ヒヨが彼女を紹介するシーンには愛を感じた。彼はミー坊を嘲笑する彼女を追いだす。大体の人は彼女の機嫌を取るか、見間違いだと自分をごまかしてその場をやり過ごすと思う。あるいは後で注意するとか(注意してもそれは根本からは動かしがたいもののように思う。本人が痛い思いをするか年齢を重ねれば変わることかもしれない)。即その判断が出来るヒヨが好きになった。
学生時代のエピソードにはミー坊の魅力が溢れている。あっという間に周りを仲間にする。
登場人物が一人一人温かくて心地好かった。
リスト
学生時代から今に掛けて普通の生活がベストと自身思って生きてきた。何か一つをやり続けたいと強く思った記憶はない。だからこの映画を観て羨ましくなった。好きこそものの上手なれと言ってみたくなった。
こうなったら(笑)少し前から何項目か挙げている”死ぬまでにやることリスト”を続けていこうと思った。このブログもその一つ。人探し、エキストラ参加も。もしかしたら項目がもっと増えるかもしれない( *´艸`)