へまをやらかした後の話。

不眠

当日は夜寝たのかどうか分からなかった。横になっても紛失物が本来あった箇所付近を妄想の中で何度も探してしまう。落下したであろう箇所も頭の中で探す。

気を何度そらしてもそれが一晩中頭に浮かび眠れなかった。

次の日休みだったけれど頭の中は”お休み”にはならなかった。

今の仕事に就いて今まで何度も同じ様なことがあった。その度に辞めたいと思った。同僚に聞くと自身だけではないようだ。何かをミスした時からその日は勿論のこと数日は心が病むみたいだ。基本、次の日が休日だと休日にはならない。連休ならば最悪だ。別件でミスした後輩は直近の連休3日”暗闇”だったそうだ。

さらし首

最近うっかりトラブルが多くなっていると朝礼で店長から指摘があった。委縮した。

休憩室にミスを記録したカレンダーを張っておくとのことだった。あとで確認すると赤ペンで名指しで何を起こしたか書かれてあった。他にも二件ほどあった。

前任者はその記録をファイルして確認するようにというだけだったが、今の店長は営業成績を棒グラフで店内に発表する様に貼り出した。正直抵抗が半端ない。情報を共有する必要があるのは理解できる。でも恐怖政治みたいだ。

優しい先輩が穏やかに”昔、人の名前を赤ペンで書いてはいけないと言われませんでしたか”と発した。そうだ、そうだったとその場にいたひとは全員強く同意した。

工夫

ミスを犯したい人などいない。

過去起こしたミスでは”さらし首”などされなくとも工夫してきた。同じようなミスはゼロに近い。でも今回は違う種類のミスだから未来起こさないようにする工夫が必要だ。

まず、事前に情報を貰う必要がある。材質、型、使用年数等見積もりする時に聞き取りをして貰うように頼もうと思う。

更に経験値の低い後輩と同行する時、細かい作業をする際は一度手を止めて貰って自分と一緒にその繊細な工程を経験してもらうことにした。二人で形状、部品の位置等を記憶しようと思う。

転んでもただでは起きない。