予想外のことが起きた。

何となく観ていたドラマ「日本一の最低男」の第十一話最終回に泣かされた。以下ネタバレ注意

タイトル

何に魅かれて録画予約をしたのかはっきり覚えていない。タイトルも何だか不穏な感じがするし、出演者に関しても香取慎吾氏は出演しているものの役者としてはそれほど注目してはいなかったから多分数回観て興味失ったら途中で視聴を止めようと軽い気持ちで予約したと思う。

”最低男”とは何を指すのかと毎回感じるつもりで観ていたら、万人には一見誠実と取れない言動をするが結局は人の心をつかんでしまう人のことを指すのだと思えた。

第一印象がマイナスイメージな人ほど突然それを払拭するようなことが起こった後、以前より良く見えてしまうのは自身だけだろうか。最強に見える。周りの人の心を鷲掴みにする。”最低男”とはどうもそんな人間のようだ。

余談だが…

ドラマ序盤にTV局を辞めるきっかけとなった最低男一平がパワハラ問題を起こす。その対象が元後輩野上役のヘイテツ氏だ。彼にぐっときた。具体的には目力、肌やシルエットが美しい。中でも特に彼の発音に一番意識が向いた。声ではなく発音にだ。自然口元を見てしまう。不思議なものだ。これからもっと活躍の場が広がるのではと思っていたところどうやら来期のドラマで出演するみたいだ。

順番

自分を大切にせず人の幸せに力を尽くすのは不健康だ。自分が不幸で周りの人を幸せになど出来ない。と今では強く思える。母や祖母の姿や少女漫画が影響していると自覚があるのだが、少し前の自身は人に譲ることが美徳という思想?が深く刷り込まれていたと思う。

気付きのきっかけは数年前のある”痛み”から逃れようと必死にもがいた時読んだ本や動画などの言葉たちだった。刷り込みとは本当に影響力が半端ない。当たり前に子どもや自分以外の用事を優先にして生活していることを当たり前と思っていた。大分時間がかかったが少なくとも今は自分の時間を優先することを意識して生活できている。

このドラマの主人公は自分本位で動くところや思うように物事が進まなくても素直に自分の足りないところを認め前に進んでいく姿が良かった。心地好かった。

区長選に立候補した最低男と現区長の後押しを受けた候補者に加え、告示日に突然立候補した元同級生の三つ巴で選挙運動が加熱する。最終回後半も後半で彼とその元同級生が強大な力に立ち向かうために密かに結託していたことが明かされる。

学生時代生徒会長選で争った時と同じ結果が出る。強大な力にも最低男の存在のお陰で元同級生が勝利することが出来たのだ。選挙後元同級生は自分の器の小ささを感じずにはいられないと言葉を残す。表舞台ではピエロに徹した最低男は姿を消す。自分を捨て駒にする戦法に滅茶苦茶違和感を覚えた。でも彼が”そういう俺を俺は一番好きなんだよ”と言い切った時それが中和された。

激しく涙した。

ピアノ

ドアが開く音がすると姪甥たちがはしゃいで一平伯父さんだぁと駆けだしていく。ただいまぁと玄関でのんびりした声がする。自分が嘲笑の的になって家族に迷惑を掛けないため”最低男”一平は家族と縁を切るとまで言葉にしていたのに。家族も何も影響なかったように温かく向かい入れる。最後は玄関から会話が聞こえてくる。””パパ泣いてる〰!!””泣いてないよぉ!!!”

ピアノの川の流れような調べがそれぞれ溢れだす感情を表現しているようだった。

感動した。