ラストの第七シーズンに入って段々寂しくなってきた。終わってしまう!!

以前WOWOWで宣伝していた時に意識を持っていかれたことを覚えている。当時視聴しなかったのはCSIラスベガスを観ていたから”毛色”の違うメンタリストを受け付けなかったのかもしれない。心を読み暗示に掛けたりすることで捜査を行うことに抵抗があった。現実との間にだいぶ距離があるような気がしてならなかった。以下ネタバレ注意

魅力的なキャラクターたち

主人公パトリック・ジェーンは誰が見てもイケメンだ。甘いマスク、金髪、身長は高くなさそうだがあまり問題ではない(遠い親戚に会社のCEOがいたが彼はびっくりするほどの低身長だ。でもそれを全く気にしてなかった。それもモテる秘訣なのかもしれない)。ただ慣れるのにしばらくかかったのは、ジェーンが口八丁手八丁なところだ。あり得ないとの思いがドラマ視聴を途中で止めることが何度もあった。周りの捜査官を振り回すところも実はイライラした。回を重ねると周りの捜査官と同様それにも慣れていった。逆にジェーンの周りの反応も楽しめるようになった。

テレサ・リズボンはジェーンと一番接触が多いキャラクターだ。彼との会話が面白い。彼のアイデアを渋々認め採用し、時にいなし、暴走してとんでもない結果を招いても守ったり信頼関係が事件が起きる度強固になっていくのが心地好かった。互いになくてはならない存在になっていく。仕事で息があってくるとそれ以上強い人間関係はないと思えてきた。それぞれのプライベートを認め合いながらなのが更に良かった。後半CBIからFBIに舞台を移してから二人の関係が”進化”してゆく。それも自然で美しかった。

捜査官キンブル・チョウを思いがけず好きになったのは自分でも驚いている。勤勉で実直でも柔軟さもある。内に秘めた情熱もある。ウィットもある。周りの同僚にもその存在だけで安心感を与えている。最高だ。”大丈夫だ””よし””やってみろ”等短い言葉が特に好きだ。1シーズンの第12話「レッド・ラム」で黒魔術の実演シーンでその対象をジェーンが断りもなくチョウの名前を告げた時本人は非科学的なことだとしながらも動揺する。黒魔術では”百獣の王の前で跪かせる”という文言が出てくるが、数日後捜査対象を追いかけねじ伏せた時偶然にもその前を一台のバンが停車する。その車に百獣の王(ライオン)が描かれていた。それを見て”魔法が効いた💦”とうろたえるところがチャーミングだった。そのストーリーの最後、あまりに気にするチョウのためにセージか何かを焚いて冷まし瓶にいれそれを”魔女”からだとジェーンから渡されホッとした顔が映される。そのシーンにも癒された。

体の大きなウェイン・リグスビーを最初観た時どうしてもトイストーリーに出てくるキャラクターのバズ・ライトイヤーにしか見えなくて暫くそれが頭から離れなかった。同僚のグレース・ヴァンペルトとの恋愛模様が気になり少し自身には気を削がれる感覚が正直あった。リグスビーがチョウに彼女のことを相談したりヴァンペルトになかなか告白できずに拗らせ気味なところがコミカルに描かれていて好きだった。

グレース・ヴァンペルトは美しい。真面目で曲がったことが苦手、少し融通が利かないところもあるが芯がしっかりしている。体格は骨太っぽくてそこは共感できた(骨太レベルは彼女が1とすれば自身は10だ(^▽^;))。”社内”恋愛のリスクを避け仕事を選び邁進していく。次に出会った恋人とは結婚直前で裏切りを知り仲間を守る為射殺せざるを得なかった苦しみを背負うが彼女は強い。リグスビーが支えとなり復縁する。

CBI時代途中か内部監察官として現れたJJラローシュはどこを見ているか分からない不思議な存在だった。孤独な職人で最初は敵と感じた。ジェーンにかき乱され振り回されながらも彼への信頼度が増していく。立場上味方とは言えないけれどチームとの間にも信頼感が生まれていく。魅力的なキャラクターの一人だ。

物語後半をFBIに移した時上司になったオースティン支局の上級捜査官デニス・アボットがお気に入りの一人だ。ジェーンに最初接触した時はこんなに好きになると想像できなかった。彼は心が安定していて実直、温かみがあり人情に篤い。自身の中では上司にしたい人ランキングに常に上位にいる人物像だ。特に心が熱くなったのは後半も後半、彼の窮地をチームで乗り越える話はその象徴だ。彼の人徳がなせる業なのだ。彼の奥さんの口からジェーン本人にアボットの意識が語られる。彼がジェーンを”命を預けられる存在だ”と。命を預けられる人は人生でそうそう現れない。

レッドジョン

シリーズ2/3の縦軸の中心人物はシリアルキラー通称レッドジョンだ。ジェーンの家族も殺されたから彼を探す執着は異常だ。彼にたどり着く為コンサルタントとして捜査協力することになった。日々の事件を解決するのが縦軸と同じ位夢中になった。

何度かジェーンと接触するが彼を殺さず”ゲーム”を楽しむ。レッドジョンとの対決には少し違和感があるところが何カ所かあったような気がする。何度もジェーンを亡き者にするタイミングはあったのだ。一度は彼を窮地から救ったこともある。後の展開を思うと”油断大敵”が頭に浮かんだ。

自称レッドジョンをジェーンが射殺した後の裁判も日本では考えられない展開だった。実際にはありうることなのかと思った(知識が無い為だろう)。レッドジョンとの対決後の処遇も”取引”で職場復帰。”取引”はアメリカでは大きな切り札だと映画やドラマでの知識でしかないが認識している。殺人もその理由如何で免除の対象になるのだろうかと心にモヤモヤを抱えながらもドラマとして楽しむことにした。

二人の課題

FBIで一緒に仕事をすることになったジェーンとリズボンは互いをなくてはならない存在だと認識する。それまでもそこここにそれは現れていたが本人たちには潜在意識下であったのだろう。

愛し合っていると確認し合うとジェーンは同僚の殉職が引き金となって彼女が死と直結する職場にいるのが耐えられなくなる。ジェーンは一時期仕事を離れる(その逆パターンの回もある。リズボンは離れないけれど)。

強制的に引き戻されたジェーンは上司アボットの窮地もあって仕事を続けることになる。その山を越えた後彼らは結婚式を催すことを決めるがジェーンに恨みを持つシリアルキラーが現れ、式場がその逮捕現場になるかもしれないというハラハラドキドキが最後まであった。最後まで視聴者にも想像させない話の構成とスピード感が楽しかった。

新しい命が二人に宿るところで最終シーンを迎えるが自身はもっと二人の葛藤を観たかった。二人が結ばれてホッとし、幸せにな気持ちになったけれどこれから二人がどういう選択をし歩み寄っていくのかが描かれて欲しかった。

<追記>

数週間経った今、BGMのように「メンタリスト」を流している。ストレッチしながら、このブログを書きながら等。以前気付かなかった表情、ニュアンス等感じることが出来ている。楽しい。