十数年前訪れた姫路城は黒っぽいシートが掛けられ見れなかった。外壁修復工事が行われていた。真夏の暑い日だった。幼い子どもの汗をかいた用のシャツや飲み物等万全の用意をして臨んだから残念でしかなかった。ただパッと周りを見渡して帰るだけだった。下調べは本当に必要だ。

グズ

今回は周りは盆の用事で出ていき、自身一人で過ごすことになった。思いがけない自由時間を得て(予定が決まった経緯からほんの少し憤りや寂しさを感じたが)何しようか考えた時すぐに頭に浮かんできたのが姫路城訪問だった。日帰り出来る距離で楽しめる場所はそこしか考えられなくなった。

一方で巨大地震注意報が出ていたため躊躇した。生き埋めになった時の為のホイッスルが手元に無い(結局娘と一年程前用意したことを数日後思い出したが)為足りない防災用具や水を買いに走った(ホイッスルは全く店頭になかった。水、お茶のコーナーは空だった。皆考えることは同じだ)。その内自由時間が無くなった。グズグズしてしまった。

無意識

二泊三日で旅を終えた息子が帰宅した。急に決めた決断で自身一人残したことに罪悪感を感じていたのか旅行中LINEで近況報告したり、自分と何かしたいか考えておいてと伝えてきた。気にしなくてもいいのにと返したが心は嬉しさでいっぱいになった。しかしながら帰宅すると今までの対応は微塵も感じさせないものだった(;一_一)そんなもんだと半ば諦めていた。

しかしながら休みの後半になって自分の言葉に驚くことになった。息子に控えめに姫路城に行きたかったこと、過去姫路城をみれなかったことも伝えた時、(息子が)結婚する前に思い出として日帰りでも旅行したいと自分の口からポロっと出てたのだ。それまで右から左へ聞き流していた息子はそこに繊細に反応した。

”明日行く?”

念願成就

予定より二時間遅く出発した。理由は息子の体調を慮り過ぎたことだ。

夜中彼は咳をしていた。具合悪いのかなと確認もせずグダグダしていた。”何時に出るの?行かないの?””咳していたから無理させちゃいけないかなと””嘘でしょ(昨日の話と違う。行かない選択ないでしょ)?”の会話の後心が決まった。

行く!!!…ホント、グズ子なのだ(≧◇≦)

バス、電車を乗り継いで13時過ぎ到着した。天気が良すぎて疲れる暑さだ。日傘をさす人はほとんどいない。自身も帽子、サングラスで向かった。

余談だが、暑さ対策としてとても役に立ったのは携帯扇風機だ。天守閣までの道のりも勿論のこと天守閣内においても必要不可欠なものだ。入口と出口に扇風機はあってもそのほかにはない。風は通るものの人も多いせいか涼しいレベルには至らない。

白い城を大手門の外から見るだけで気持ちが昂り満足した。太平洋戦争の二度の吸収で姫路が焦土となっても奇跡的に残った城だ。十数年前はそれすら感じることが出来なかった思いもそれを倍増させた。感動しかない。

内部

城のつくりはその大小はあるが大体同じ様な構造をしている。だから色々な城を訪れる人にとって内側に入っても感動が薄いかもしれないと城にあまり興味がない息子に話していた。

”でもさ、からくりが好きなんだ”と口から出ていた。

自分から出た言葉に驚いた(≧◇≦)

からくりが好きなことを自覚した。

敵に石を落とす”石落とし”や”武者隠し”にワクワクした。特に”武者隠し”はその向こう側の扉を開けてみたくなった(*´▽`*)

以前訪れた彦根城にもあるだろうけれどその展示はなかったように思う。

地元のボランティアの方(だと思う)が英語で海外からの旅行客へ城の説明をしていた。三つの団体を見かけた。あまり英語は得意じゃないが聞きたくなった。丁寧に対応していた。

窓?から見える街並みを見て数百年前羽柴秀吉が同じように立ってみていたかもしれないとロマンチックな気持ちにもなった。

心残り

時間がなかったため姫路城が天守閣以外の見どころがたくさんあったことに案内誌で知り残念に思った。とはいえ37度前後の暑い日それも昼過ぎに全部を網羅するのは難しいとも思った。

次は夏以外の季節に行きたい。

遅いランチ

車を使わない電車の旅で一番の楽しみはビール付きランチだ。車の方が時間もお金もかからないのは分かっていたが、ビール付ランチには代えられない(*^^)v

事前に調べていた好古園内にある活水軒にランチは決めていた。姫路城入城する時好古園入園券付きのチケットをゲットしておいたのはそれが理由だ。個別だと少し多めに支払うことになる。

ランチオーダーストップの15時直前に滑り込んだ。姫路城天守閣から好古園入口まで歩けば10~15分かかる距離だが暑い中必死に早歩きした。時間のこともありくじけそうになった。朝食抜きで15時まで炎天下歩き天守閣を一番上まで急な階段上り下りして、時間を気にしながら好古園まで行くのがしんどくなっていた。やっぱ帰ろうかなぁと口に出していた。息子はここまで来て行かないなんてありえないと鼓舞してきた。

それに励まされ汗かきかきやっと入口に到着。入園してすぐ活水軒を発見できた。

迷わず入店。クーラーのひんやりした風にホッとした。そして赤いじゅうたんと池が目に入った。癒された。ネットの写真とは印象が違った。ネットの写真は大衆食堂っぽく感じたが実際は料亭をカジュアルにした雰囲気だ。流れている音楽も琴だ。気に入った。

ランチは三種類。その中で選ぶことは出来なかった。そのうちの二つは完売とのことだった。でもその残りの一つがサイコロステーキ定食。それが残っていてくれて嬉しかった。ウキウキだ。勿論ビールを一人一本(中瓶)オーダーした。

夜ごはんのレベル、最高だぁ!!!

肉やバターが添えられた野菜に火が通るのは少し後だから茶碗蒸しから食べた。ビールを飲みながら大根もやしサラダと硬めの卵焼き(甘かった💦)、切り干し大根煮つけと箸を進めていった。その内香ばしいにおいとともにナス、ニンジン、玉ねぎ、シシトウに火が通ってきた。二本目のシシトウが非常に辛く、暫く舌が痺れた。なかなか引かなかった。ビールを飲んだら更に悪化した。水を飲んで暫くすると落ち着いた。

牛肉はサシが多く、柔らかい。油も上品だ。油で胸焼けする方だが全くそのようなことはなかった。美味しいしか言葉が出てこなかった。息子も目を丸くして食べていた。嬉しかった。

完食!

大満足だ!!!!!

新幹線

帰りは贅沢だったが新幹線にした。

日帰り旅行で世界遺産を観ることが出来、美味しいご飯をいただき、息子との思い出を作ることが出来て最高に幸せだ。