今週初め先輩にパワハラを受けた。皆の前で名指しで半強制的に仕事を休むよう言われた。
ホワイトボードに人が余った時、足りない時に名前を自ら書くことになっている。そこに勝手に有無を言わさず先輩が自身の名前を書いた。”休めるよ!いいよね?”と。このようなことは以前から数回あった。自身の名前を書かれることが多かったが、他にも数人に対し同じこと(当事者たちも当惑していた)をしていたから強烈な悪意があるわけじゃない。それでも不快極まりないことは変わらない。その先輩は親分みたいな立場で”空気”を牛耳っているから表立って逆らう人はいない。
店長にパワハラだと相談しようと思ったが取り敢えずは止めた。どこでどう通じているか分からないからだ。次回も近未来多分ある。その時は直接書くのを止めて貰おうと言葉を用意した。”金欠だから働きます”と彼女がボードに書く前に即座に伝えるつもりだ。
こんな経緯で急遽休みになった日をいかに充実させるか課題となった。きっかけはネガティブなことだったけれどそれをポジティブにどう転換させるか必死に検索しまくった。そのうち自然気持ちが軽くなっていった。
海
”○○(先輩)のバカヤロー!”と海に受かって叫びスッキリしたかった(笑)から海を検索した。でも今は海水浴客で多分浜辺はごった返している。崖なども観光地は人でいっぱいだ。
それでも人が来なさそうな海をしつこく探した。でもそういう海は大概公共機関から離れていて行きにくいことが分かった。それに近くにおしゃれにお酒を飲めるお店がなかった。浜辺で海の音を聴きながらカルパッチョをつまみにビールもしくはシャンパンを吞みたかった💛(車での移動を考えないのはお酒が飲みたいから(-.-))
山
山で叫ぶことは考えなかった。北海道で山ばかりを見てきたからかもしれない。琵琶湖が頭に浮かんだ。一度行ったことがあるがその時は比叡山に登った。今回は何故か彦根城が頭に浮かんだ。
検索すると彦根城の当主が井伊家だと知った。無知だ。恥ずかしい。
教科書で習った井伊大老(井伊直弼)は頭に残っていた。安政の大獄が原因で暗殺された人だ。その最期が強烈に記憶にあった。それが行き先を決めた理由の一つになった。
博物館
堀が立派だった。堀はこんなにも自分を興奮させるものなのか。何枚も写真を撮った。

ひこにゃん登場時間に当たらなかったのは物凄く残念だった。最近だが自分がぬいぐるみやマスコットを人より好きだと自覚したこともあって日に三回ある登場時間に合わせたいと思った(博物館前の登場時間は13時30分位だった)。
博物館、城、玄宮園三点セットチケットを1,200円で購入。まず博物館に入った。井伊家が大坂冬の陣あたりからの系譜を見た。一番時間を掛けてみた。
星を見て吉凶を占ったような書物があることに驚いたこと。甲冑が星や月をイメージして作られたこと。井伊直弼がお茶の道に精通していたこと(これは有名な話の様でまた自分の無知を思い知らされた)。”一期一会”は彼が世に広めたらしいということ。井伊家は大坂冬の陣夏の陣で豊臣家側につきながらも徳川家で働いたこと(関ヶ原の戦いで徳川家側についたことか)があってか廃藩にならずに済んだことなど勉強不足を恥じつつ一つ利口になったような気分になった。
また、能の舞台(博物館の中庭に能舞台がある)をバックに設置されたTV画面に能を映しだしていた。その客席に小さい男の子数人が年齢を重ねた方たちと一緒に真剣なまなざしで観ていたのが印象的だった。真剣に能に魅入る子どもをみて不思議に感じた(自分はよくその魅力が分からないからだ)。
彦根城
城まで急で不規則な石階段を登っていった。距離はそんなにないと思うが急こう配だから疲れた。登り始め雨が降ってきた。空はゴロゴロいっている。スコールではなく霧のような雨だ。時折日も差していたから天気雨のようなで不思議だった。
城の天守閣まで登るのに一苦労だった。というのは80度位ある角度の階段を登らなければならなかったからだ。それもその段一つ一つが高い。一段50㎝あるように感じた。勿論手すりを掴まなければ登れない。片方の手は自分の靴を持たなければならないからバランスを取るのが大変だ。それでも何とか上りその景色に感動した。一気に広がる感じだ。過去の城主たちはここから城下を見下ろしていたんだろうなと、ロマンチックな気持ちに浸れた。
周りにいた来場者は三組家族、一組お姉さま友達そのほかはほぼカップルだった。一人の男性が自身と同じ単独で来ていることに気付いたのは、城に入ってからだ。
その人は運動着を着ていて何かスポーツをしているようだった。鍛えている感があった。自身の後ろにいて階段を下りる順番を待っていた。自身は登りより下りの方が楽で淡々と降りた。次の階段に回ると彼が上の階から降りてくるところに出くわした。彼は足がふらふらで痙攣しているかのようだった。顔を見ると面目ないみたいな表情だった。スポーツで鍛えようが筋肉を育てようが苦手なものは苦手なんだと思う。見掛け倒しな感じが残念だったけれど、そう勝手に思っている自分も人間出来ていないなと反省した。

玄宮園
城から玄宮園までの道のりが好きだ。下りでゆとりがあったこともあるかもしれないけれど、雨に濡れた石の階段はとてもきれいだった。木のみずみずしさも伝わってきた。
玄宮園に着いた頃は雨が止み無風状態で太陽が照り付けていた。まるで温室に入っているようだ。熱中症に気を付けなきゃと意識した。時間によってころころ変わる変な天気だった。
ここの景色は一つの撮影ポイントしかなかったように思う。木に邪魔されることなく全体像をとらえられる唯一の場所。広くて開けた景観が先にあるお城の威厳を際立たせていた。

湖へ
園出口にある受付で湖に出る道を教えて貰った。聞くと20分は歩くという。出口で手持ちの水を飲み干してしまった。心細くなりながら歩いた。海を目指すというよりその時はペットボトル販売機を一番に求めて歩いていた。水なしで無風、高温多湿、太陽が照り付ける中歩くのは非常に危険だ。それでも帰る時間を考えると決行するしかないと決めた(水を持たずにこの状態の中歩くのはこれで最後にしようと思う)。
受付で案内された道は金亀公園と御堀の間にある道をひたすら歩くと御蔵橋が見えてくる。それを渡り川に沿った細い地元道を歩けば大きな道に出る。そこを右に曲がると松原橋だ。更に橋を渡ると交差点がある。交差点を左に曲がれば彦根港ということだった。
金亀公園には人っ子一人いなかった。熱中症にかかりかけなのか頭が痛くなってきた。あまり深く考えるなと自分に言い聞かせても”ここで倒れても誰一人助けに来てくれることはないだろうな”とか”陰から物取りが襲ってきても気付かれないだろうな”とかネガティヴな妄想が襲ってきた。それでも引き返すのも同じくらいのリスクがあると思い前にんだ。
どうしても水辺に行きたかった。
松原橋交差点の脇にキリンの自動販売機が置いてあって助かった。水とアクエリアスを購入。生き返った(*´▽`*)頭痛はなくなった(軽い熱中症だったのか)。
観光船乗り場に到着。暫く風に吹かれてゆらゆらしていた。近くには毎夏TV放送される鳥人間コンテストの撮影現場があるとのことだったけれどそこまで行くエネルギーはもうなかった。残念だ。母や子どもたちに今の状況をLINEで報告したりして気がまぎれ元気を取り戻したところで、遅い昼ご飯を食べるべく夢京橋キャッスルロード目掛けて歩いた。とても道のりが遠かった。先に進むにつれまた心細くなってきた。何故なら地図を片手に歩いていても目印が少なかったし、息子の住んでいる土地で迷子になったことがあって自分の能力に以前より自信が持てなくなったからかも知れない。人に聞くにも歩いていないから聞けない。どんどん不安が膨らんできた。でも北野神社が現れると安心した。案内所で貰った地図は信用できた。腰が痛くなるほど歩いた(自転車をレンタルすればよかったと反省)。
昼食
頭の中は鮮魚かウナギだったけれどステーキなどの他の選択肢も見たかった。でも身体が悲鳴をあげていた。それに出発の時間が迫っていたから早く注文しなきゃならない。キャッスルロードの奥まで行きたかったのに行けなかった。ふとコンビニでお弁当と缶ビール買って電車で飲もうかなとふと思ったけれどやめて良かった。電車で飲み食いする雰囲気ではなかった(通勤電車みたいだった。行きは向かい合わせの座席で旅行感満載の車両だった)。
迷う時間もそうなかったから入りにくかったけれど(敷居が高そうだった💦)、うなぎや源内に入った。注文して出てくる時間を聞いた。10分程との答えに安堵し席に着いた。窓越しに見える庭を見て心の中で”YES!”と叫んだ。とても美しくほっこりした。庭を楽しめる席に通してくれた店員さんに感謝した。
後ろには一組の家族が四人座っていた。歯医者で親知らずを抜いた具体的な話が聞こえてきて話す場所を考えて欲しいと少しイラっとしたけれど抑えて自分に集中した(笑)
ひつまぶしは高いからうなぎ丼並2,420円にした。それと勿論ビール🍺!お会計は3,080円。
朝彦根城の上空は雨模様とネット検索で知り行くか行くまいか迷った。それでも思い切って決行しすれすれの乗り換え(JRと私鉄の駅が離れていた)で彦根駅に到着。それからは高温多湿、無風の中ひたすら歩き続けた末のビール🍺。格別だ!!!!
うなぎを口に入れるとうわっと声が出た。美味しい!ここのうなぎは舌にこげを感じさせ(香ばしい)、そのふわふわな触感が声を出させた。足りない時の為に後から持ってきてくれたたれは必要なかった。庭とうなぎとビール、幸せだ。
ほろ酔い気分で店を出た。
遅延
実は旅の決行を決めた時、心がざわついていた。彦根城探索中も落ち着かない感覚は続いていた。金亀公園に沿って歩いている時熱中症で倒れるんじゃないかと普段より怯えたのはそれがあった。
昼食を終え急いで彦根駅に着くと学生がざわついていて改札前に携帯片手にたむろしていた。嫌な予感はこのことかと思った。
駅員に聞くと近江八幡駅で電車と人が接触して運航休止しているとのことだった。仕方がないから電車の中で発車を待った。
30分待たずに出たと思う。ホッとしていたら今度は電車の目的地方面が大雨の為徐行運転しダイヤに乱れがあるとアナウンスがあった。予定通りにはいかないのが旅の醍醐味だと思い直しても今乗っている電車が自身の目的地に無事到着するのかさえ心配になってきたほど動揺した。そわそわする自分を抑え込むのが大変だった。
結局予定の1時間強オーバーで自宅に到着。すぐ夕食づくり。いつもよりテンポよく作れて自分の体力気力はまだまだ衰えていないなと感心する程だった。
帰りは不安がいっぱいになったけれどこれも旅の思い出(#^.^#)有意義な一日になった。
