円滑な人間関係を築くのは相応のコミュニケーション能力が必要だ。気が利く性格だと更に良い人間関係を築ける。先天的な能力を持ちたかった。環境にも恵まれたかった。と、無いものねだりや人のせいにするところが”本当の問題”なのかもしれないが(^▽^;)
環境
幼い頃の夕方の食卓ではほぼ毎日大人たちはNHKを見て政治の話で盛り上がっていた。父はTV画面に向かって大声を出すこともしばしばあった。政治に対し熱量が半端ないのはその年代特有なのだろうか、それとも生物的なものだろうか良く分からない。子どもたちはスポーツニュースがTVに映し出された時はそれを観て和んだものだ。時々祖父がボソッと話しかけてくれる以外は沈黙して食べた。学校行事に触れることもあったけれど一瞬で終わる。
思春期にはどう発言したら親を怒らせてしまうかが分かり、自分を内側に閉じ込めるようになったのかもしれない。
もともとの性格もあるだろうけれど、会話の練習を幼いころからしていたら変わっていただろうなぁとつくづく思う。
得たもの
常態化したコミュニケーション不足で失ったものはあるが、得たものもある。
口での表現が下手な分他の能力が発達したのか、小学生の授業で書いた詩がローカル新聞に載ったり、蒸気機関車の絵が市内で展示されたりした。もしかしたらそれが拙い文章ながらもブログを開設する原動力となったのかもしれない。
又、周りが気付かないことにも気付けるようになったとも思う。
当然気付いているだろうと思って話したことが周りに驚かれることが数多くある。例えば客のクレーム内容とか、同僚の悪意とか(^▽^;)考えすぎだよとか気の回しすぎだよと言われるから言葉にはしないが。
友だち
ボーっとしているように見えるのか(実際そういうところもあるけど(*´▽`*))行動力ある人、話し上手な人が周りに多かった。でもそういう人は自分の欲求が満たされると去っていく。
ま、いいかと寂しさをやり過ごす日々。若い時は自分から求めたこともあったけど今ほとんどは受け身状態。声を掛けられたら応えるみたいな。
でも今、心から会話を楽しめる相手が欲しいと願う。そう思わせられたきっかけが”こっちを向いてよ、向井くん”というドラマだ。
向井くんと坂井戸さん
このドラマは恋愛に思い悩む男子の話だけれど同時にコミュニケーションの大切さがテーマになっている。向井家の母親が娘(向井くんの妹)に彼女のパートナーとの関係に悩んでいる時”言わなきゃ分からないことがあるんだよ”と諭すシーンがその象徴だ。以下ネタバレ注意
主人公たちの何げない日常会話、相談で見えてくる人物像、考えを互いに認め合ったり、時には議論してみたり、みたいな感じが穏やかでとても良かった。会話が一方通行にならない関係が心地好い。それは自然に成り立っていき、ぐだっとした自分も見せられることに後から気付く第8話の最後のシーンは秀逸だ。
最終話では、冒頭にある坂井戸さんへの気持ちに向井くんが気付くシーンも強く印象に残った。何度も繰り返して観た。”やばい、この感じ、ひょっとして、ひょっとしてるよね、って何の感情?まさかのまさかなのかぁ?ダメだぁ向井、行くなぁ向井、戻るんだ向井、感じるな考えろ”…可愛すぎる(#^^#)
勢いで告白し別れた後、このままでは終われないといつも集会所の様に集まっている義弟のお店へ行きその前の廊下でぐるぐる回りながら(思考と感情の間をぐるぐるしながら)断られる恐怖と闘いながら何とか伝えようとする様は素敵だった。それに応える坂井戸さんもナチュラルだった。
これは二人のコミュニケーションが積み重なって起こった現象だ。何の意図もなく力になったり、貰ったりする人間関係が自然で美しい。この場合は恋愛だけれど他の関係でも何気ない会話ができる人と出会いたいと思わせてくれた。老若男女問わずコミュニケーションがナチュラルにできる人と出会ってみたい。望めば叶うだろうか。