3月末受けた眼瞼下垂術で大きな変化があった。一つは肩こりが大分軽減されたこと。もう一つは見た目だ。前者は前回お話しした。今回は後者のお話し。

容姿

昔韓国へ仕事で行った時”アガシ(お嬢さん)”とホテルの従業員に話しかけられたことがある。韓国に溶け込む容姿をしていた。間違えるのも仕方ないと思えた。目は細く奥二重。そのうち年齢と共に皮膚が垂れ下がり一重かと思えるくらいになった。そこが好きだった。自分で言うのも恥ずかしいが穏やかな雰囲気を出していたと思えた。表情がないと能面になるけれどふざけた時、笑った時の自分が好きだなと感じていた。だから手術を決めた時どこか”これでいいのか自分”と問いかけていたように思う。

動機

瞼の上に昔からあったほくろが大きく成長し、なおかつ皮膚が垂れ下がった為それが視界に入ってくるまでになった。気になって仕方がない。それでも数年間放置していた。

昨年九月、健康診断のオプションで腫瘍マーカー検査を受けた。大丈夫だろうと何故か変な自信があった。でも結果は要再検査&精密検査だった。それから眠れぬ夜を三か月過ごした。考えられる検査を受けた。不安は残るものの医師によるとこれ以上する検査は残っていないらしく経過観察することになった(こういうことはあるらしい。その医師によると健康診断で腫瘍マーカーはお勧めできないとのことだった)。その結果を受けた時、特にどこかの信者ではないが、自然神に感謝し、これからは思い残しの無いよう人生過ごそうと思った。

評判

どの医師にお願いするかは心の中では決まっていたように思う。

近い方が通いやすいから最寄りの駅にある評判の形成外科を併設してる皮膚科を最初受診した。同僚の一人がそこで手術を受けたが、只彼女の執刀医はその時は退職していた。そこで違和感を感じたのはその医院では執刀医を選べないということ。間違えて皮膚科受診予約してしまったのも何かのサインだったのかもしれない。診察室で話した医師との会話で”ここじゃない”ことを感じた。

これは二人の同僚が受けた医師に一任することを心に決める材料になった。彼は腕がいい。早い。せっかちなのが玉に瑕。

通うのに片道一時間半はかかる。それでもここで良かったと思う。

戸惑い

二重であれば皆美しくなるわけじゃないと実感している。ちょっとは期待していたんだなぁと今感じているところだ。

最初の10日間は自分を受け入れるのに大変だった。鏡を見たくない日が続いた。何度も過去の自分の写真を見てやっぱりこの顔が好きと思って悲しい気持ちになる。そんな時には肩が楽になったのだから、ほくろを感じなくて済む生活になったのだからと自分を励ましている。

朝礼

職場では朝礼に当番制で感じたこと、プライベートの予定や楽しかったこと等話したい事を一言話すことが義務付けられている。その順番がお休みしている間一回りしたのだろう、出勤したその日が自身の番になっていた。自然、術の報告をした。思わず本心を言葉にしていた。前の自分の顔の方がいいと思ってしまう自分がいる、慣れるまで時間がかかりそうだと。皆戸惑っている様子だったから朝から申し訳なく思った。

その翌日朝礼で斜め向かいに座っていた先輩一人が顔を覗き込んできた。何と言ったかはよく覚えていない。まじまじ躊躇せず見てくる彼女に拒否反応していたと思う。確か整形という言葉を使ったようだ。その様子を見ていた自身の正面に座っていた先輩が”若い頃に戻るってことだよ”とすかさず言葉にした。それを聞いて彼女も”あっそうか、若い頃ね~””そうだよ。私も若い頃の写真誰?って思っちゃうもん”

感動した。感激した。愛を感じた。

仕事中直接話す時間が無くて帰宅後すぐLINEでありがとうございました!と何度も伝えた。今も涙が出てくる。

このことが自分の意識をポジティブに持っていこうと思えたきっかけだ。

実は職場に入った当初から少し前までその先輩の裏表を見て自分とは違うと感じていたものの、何故か惹かれていて常に戸惑っていた。でも最近は、彼女がよく気が付いてしまうばかりに小言が多くそれを呑み込めずそのままその場で言ってしまうのだと理解できるようになってきた。今回のことは決定打になった。芯から温かくて会社全体の為動いていると思える。心が温まった。どんどん好きになっていく。

嬉しい。