職場の同僚が万博にハマって何度も通っている。確か5回は行っているだろうか。実際はそれ以上かもしれない。他にも二人ヘビーリピーターがいる。

バナナで満たされた写真のはめ込みパネルから顔を出したものやドローンショーの様子も彼女に見せて貰った。充実していて楽しそうだ。

ただ二週間以上前彼女は両ひざと肘に深い擦り傷を負って出社した。かさぶたにはなっていたが痛々しい。そのかさぶたも非常に分厚く、淵から体液が漏れ出ていた。数日たっていてもまだ安定していない様子から結構傷が深かったのが分かった(今も完治していない)。

蛇行

万博会場入り口に列が出来ていることはニュース等で見ていた。並ばない万博と謳っていたはずなのにと思いながら。

パートナーと一緒に彼女は蛇行した列に並んでいた。それはいつものことだそうだ。蛇行しているからインコースとアウトコースが交互にやってくる。ことが起こったのは丁度インコースよりに並んでいた時だったそうだ。

開場の案内が流れるといきなり圧が後ろから掛かったという。彼女は前後左右に人がいて逃げるスペースがなくそのまま倒れた。上から人が覆いかぶさる前に間一髪パートナーが引っ張り出してくれて大怪我には至らなかったとのことだ。

本当に大事に至らなくてよかった。

ニュース

疑問に思うのは将棋倒しになって怪我人が出ているのにニュースになっていないことだ。ニュースになれば開催側は工夫をするだろうし、客も気を付けるだろう。並び方を変えるかもしくはもっと警備の人員を増やし声掛けをする等だ。

報道すると客足に響くからなのだろうか。疑問が残る。

声掛け

有名大学の生徒がアルバイトとして数か月前から一緒に働いている。その彼女は暫く見ないなと思っていたが五日前に久しぶりに出社した。その日の午前中一緒に仕事をすることになった。彼女から実は…と尋ねてもいないのに話し始めた。一か月程実家に戻っていたとのことだった。理由は心に負担がかかり静養していたらしい。その原因について彼女は話さなかったし、尋ねなかった。

長期休暇を突然取ったことに関し心に負担を感じたからなのか、表現しないと心が安定しないのか真意は分からない。ただ表現してきたことには意味がある。

話のきっかけは何げないやり取りだ。”毎日暑いねぇ”から他愛もない会話を暫く続けると話し始めた。

声掛けが一見関係ないやり取りでも何かを引き出すきっかけになる。

将棋倒しを防ぐため、声掛けはすぐにでもできる重要な対策の一つと考える。大きな事故が起こらないことを願う。